FNNスーパーニュース 就活ビジネスの裏側
最近大学生の就職戦線が氷河期といわれて、卒業間際の大学生でもまだ面接さえ受けられて
いない人がかなりの数にのぼるといわれています。
そんな中でニュースでも注目されているのが、就活ビジネスです。
面接の仕方から履歴書の書き方までを指導し、年間13万円。受からなかったら全額返金とか。
わらにもすがる思いで申込む学生が多いせいで、全国に4拠点の展開をしているそうです。
転職を考えたり、活動をしている肩にとっても他人事ではないこの話題ですが、
実はこの就活ビジネスは特に特別なことを教えているわけではないのです。
転職を目指している肩にも参考になると思いますので、ある中堅企業の経営者が口癖のように
私に話すのが
「あのさ、人材はたりないんだよ。人はあまってるんだけどさ。しかも最近は会社というところに
入れば、自動的に口座に給料が振り込まれると思ってるやつが多くてね」
という言葉です。
確かにこの不況の時期なればこそ、攻めにも守りにも知恵の限りを尽くした仕事が必要になります。
ところが就職も転職も実際はどうかというと、
「残業はどれくらいになるんでしょうか」
「昇給のタイミングについて教えてください」
「実際有給はとれるんでしょうか」
「手当はでますか」
信じられないようですが、実際はこういったことが志望者からコメントされることは珍しいことではありません。
これらの点が重要なポイントのいくつかであることはわかります。
しかし問題は、質問を促したときに出てくる内容が、たとえ言いにくそうな言い方をしたとしても
こういった内容であることです。
あなたはこの会社の何に興味をもったのか?
この会社でどんなことをやろうと思っているのか?
あなたの能力ではいったい何ができるか?
自分という商材を買ってください。
この感覚がないためにこんな当たり前の思考プロセスを辿ることなく、
高校や大学と一緒で、やりたいことも特にないし、特にここにはいりたいわけでもないし、
まあどっかに入れればいいか。
就活ビジネスではこのような幼稚な思考を、ごく普通の大人の受け答えができるように指導しているのです。
ですから、ほとんど特別な知識が入らず、まともな大人を講師として用意しさえすれば、
ビジネスとして成立してしまうことになります。
この手のビジネスは今後もどんどん出てくることでしょう。
自分が価値を提供してお金を得るために会社という組織にジョインする。
入社する、ではなく、参加する、という意識がビジネスの厳しさを認識し、仕事の中でも
アウトプットの質をあげていくことにつながります。
転職でも一緒です。
会社に買ってもらえるのはあなたの”何”でしょうか。
転職成功する人と失敗する人の差がここにあります。