ある日突然リストラされてしまった? 〜リストラ宣告 第1のウソ


都内でシステム関連企業に勤務する佐藤さん(課長代理・33歳)は、ある日上司の部長に呼び出されました。

『おい、佐藤。ちょっと』

『あ、はい。なんでしょうか。』
『実はな、会社の経営も苦しくてな。リストラをしなくちゃいけなくなった。そ
こで残念だが、さっきのようなミスも多いとなると、お前については明日から来
なくていいからな。』

『ええ!ちょっと待ってください』


まあドラマやバラエティーではよくあるシーンですが、本当にこんなことがある
のでしょうか。

外資系企業やコンサルティングファーム、オーナー企業やかなりいい加減な中小
企業ならばあり得ますが、大半の企業はこのようなやめさせ方をすることはあり
ません。

なぜならそれは後にお話しするいくつかのリスクを抱えることになるからです。

本当の手順、それはこうです。

まず経営会議などで、経営陣から首切りではなく、あくまで退職勧奨ということ
で話しをする対象者のリストアップが指示されます。

現場のマネージャーのリストアップにより候補が確定すると、今度は人事が過去
の査定などからパフォーマンス分析をおこない、候補者の妥当性、客観性を評価
してはじめて人事同席の元面談設定という流れになります。

人事担当が同席することも、ちゃんとルールにしたがっているわけで、上司が面
談能力不足だから、というわけではなく、むしろ対象者に対するコメントや態度
が会社のリスクにならないように監察している、というほうがイメージしやすい
でしょうか。

したがってさっきのミスをもとにクビだ!なんて今時のまともな会社ではあまり
起きない状況だといってよいと思います。

『ある日突然クビになってね』なんて話す友人の話しは話半分に聞いておいたほ
うがよいかもしれません。

むしろある日突然、と感じるその感性がクビになった原因かもしれないからです。


さて、じゃあどうやって現場のマネージャーがリストアップするかですが、ここ
には信じられないというよりむしろ信じたくないウソがあります。
次回はリストアップの裏側について書きたいと思います。