転職成功のツボ〜なぜやりたいことを決めてはいけないのか? 2/2

起業家になったり、開業医になるならまだしも、他人の会社に入る前で、どんな選択肢があるか、ましてや自分にどんな潜在能力があるかわからない中で、将来なにをやりたいかを明確に説明しなければならないなんてことはありません。


もしやりたいことを宣言しても、それが周囲の人間や面接用に作られた“セリフ”であって、本心ではそう思ってなかったとしたら?

入社した会社の状況がかわって、全く違う仕事をしなければいけなくなったら、すぐにやめるの?
または簡単にはい、そうですか、と割り切る?



よほど執着がないか、器用でない限りそう簡単に気持ちを切り替えることはできません。


私の知り合いは小さいときから両親に医者になることを希望され、見事医学部に受かりましたが、合格発表の日に、自分は本当は医者になりたくないのではないか?と考え直し、一年間浪人して経済学部を受験しなおしたそうです。


新しい環境の中では制約と選択肢の広がりが同時に押し寄せてきます。
やりたいことは決めず、やりたいことを探しにいく、くらいの気持ちのほうが気負わず落ち着いて考えられるようになります。

大切なことはやりたいことを決めることでは決してなく、どんな考え方を大切にしていきたいか、どんな考え方を大切にしている人と働きたいか、を決めることです。

大切にしたい考え方をちゃんと言葉にできるようになったら、もし新しい環境の中で迷ったとしてもきっと進むべき方向が見えてくるのではないかと思います。