20代後半、30代の女性を採用しない側の裏事情

ソフトバンク・ヒューマンキャピタルの調査によると、25―34歳の女性で転職をしたり、転職活動をしたりする理由は「勤務時間や休日など待遇の良い職場で働きたいから」が43%で最も多く、続いて「やりがいのある仕事をしたいから」「人間関係の良い職場で働きたいから」がそれぞれ39%、「年収をアップさせたいから」が38%となった。

また転職の際の重視点は「給与」が82%で最も多く、続いて「休日」が64%、「勤務時間」が62%。未婚者は「職場の雰囲気」をより重視し、既婚者は「勤務時間」「福利厚生」「産後に復帰しやすい」などをより重視する傾向にある。


確かにこれは女性に限らず、本音の部分でいえば、男性もにたようなものかもしれません。

しかし、採用する側がこの世代の女性を採用する歳に躊躇するのもこの部分です。

確かに女性は男性と違って、結婚や出産になれば労働環境をある程度生活の事情に対応できるものにしておく必要があります。
それは企業も理解して採用しますので、問題はあまりおきません。

ところが、この給与という点ではなかなか難しいところがあります。

前日事務職を志望する女性の面接を行うことがありました。
その歳にこんな発言が出てきました。

「前職ではとても給与が安いと感じていました。今回の転職では給与についてもご相談させて頂きながらすすめられたらと思います」

・・・なるほど。わかりました。
   ではあなたは弊社で活かすことができると考えている、能力やスキル、ご経験について少し教えて頂けますか?

「え?特に資格などは思っていませんが、今の会社ではずっと営業事務をやっていましたし、経験は長いと思います」

・・・もう少し具体的にご説明いただけますか?

「給与をあげたいという根拠という意味でしょうか。私の友人も違う会社で事務をやっていますが、私よりずっと給料が高いんです」

なるほど・・・・・・・。


このケースはとても極端な例かもしれませんが、

みんなはもっともらっている、ですとか、他に比べて安い、などと言ったり考えたとしても何の説得力もありません。

自分自身がその会社に対して何が提供できるのか、どんな能力、スキル、経験が活かせるのか。

〜がやりたいから。

では新卒採用ではないのですし、ましてや途中結婚などによって退職してしまう可能性が男性よりも大きいことなども想定すると、とても採用はできなくなります。
男女平等と言いながらも、採用側では紹介会社に高い手数料も支払っていることも考えるとこうしたことを考える場合があります。

大きな企業ではほとんどありませんが、転職人材=即戦力と考える成長ステージにある企業ではこうしたことがよくあります。

もう一度このアンケートの希望項目から素直に採用される側とする側の双方にプラスとなる女性像を考えてみますと、

給与を高くしてもいいと思える能力、スキル、経験があって、勤務時間や休日を自分の判断でコントロールさせても問題ないと思える成果が実現できており、周りの空気を考えたコミュニケーション能力を備えた人、ということになってしまいます。

実際の採用現場では、募集中、とはいうものの、できることよりまずは希望の方を優先してまな板にのせたい志望者を目の前にして、なかなか採用に踏み切れない現状があることも多いと思われます。

さて、給与交渉をする前に一度だけ自分自身を振り返ってみてもよいのではないでしょうか。