転職内定ちょっとまった!給与条件の秘密 2/2

私も似たような経験があります。
何度目かの転職の際に、3社平行で受けていたのですが、そのうちの一社であったソニーのグループ会社にこんなコメントを言われました。
「ぜひ当社に入社してほしい。しかし、当社の給与規定によりますとあなたの年齢と希望年収と規定上の報酬レンジとが合いません。したがって希望報酬はお出しできますので、1年契約の契約社員として入社してほしい」

グローバル企業であるソニーグループでさえこういう提示をしています。

特に最近は出口の見えない不況の中、採用した社員の給与が高いことは利益の減少に直結してしまいます。どんなに能力の高い社員でもコントロールできない経済環境の中、一朝一夕に売上、利益への貢献を見込むことは難しいからです。

しかし、できるだけいい人材はおさえておきたい。
そこで想定年収という便利な提示の仕方を利用します。
増沢さんはコラムの中で、ケースは少ないかもしれないが、想定年収より増えることもある、とコメントされていましたが、私の支援経験を振り返る限り、普通の事業会社でこのケースに該当したことは一度もありません。

いいところで業績年俸の7割支給、経営状況がよくないとゼロというところもありました。

さて、自らのスキルアップでベースとなる報酬を増やす努力をする、という正論はともかく、私たちはどんな点に注意したらいいのでしょうか。

転職サイトや紹介会社の情報も精度が高いと思えない時に、自分なりに年俸の将来性を想定するやり方があります。

例えばこんな会社があったとします。
社員数120名
年間売上高11億円
設立8年前

これくらいの情報であればWEBサイトで入手することは可能だと思います。
ここで売上高を社員数で割ってみます。
すると1人あたりの売上高は1,000万円を割っています。
業界業種を見なくても経営状況はおおよそ想像がつきます。
親会社に大きな企業がついていたり、投資ファンドでもついていない限り、報酬が仮に700万円と提示されたとしても、そう大きな伸びは期待できないでしょう。


逆に社員数50名でも売上高50億円を超える企業もあります。
この場合、最初の提示額が安くても年収アップの可能性があるかもしれない、と見たりします。

もちろん経営スタンスやビジネスモデルなど複合的な要素を勘案する必要はありますが、ほとんど情報がないときには手がかりになります。

目先の書類情報だけではなく、これから毎日を生きていく会社として、その会社の将来性などについても自分で頭を使って考えてみることが大切だと思います。