リストラは毅然と闘うだけ馬鹿を見る? 〜リストラ宣告第3のウソ

career1102010-05-02


1部上場の会社に転職したで藤田さんは、2年ほどたった時に、リストラ宣告を受けてしまいました。

ここでやめたらまた転職回数をカウントすることになる!

そう思った藤田さんは断固としたスタンスで人事担当者と話すことに決めました。

『私はやめません!』
『いやいや。やめてほしいというわけでは決してありません。ただ今次の道を探
される場合は、会社としても特別に半年分の給与はお支払いします。とにかく一
週間考えてみてください』
『一週間ですか・・・。』

〜一週間たち

『やはりやめません』
『そうですか。ただこれから会社の戦略も変わり、やりたいような仕事ができな
いかもしれませんよ』
『異動、させるつもりですか』
『いえいえ、藤田さんが、ということではなく、あくまで会社の戦略がこれから変わるということで』
『・・・・』

さて、藤田さんはこの後どこまで押し問答を続けるのでしょうか。

これまで会社に貢献をしてきた、という思いがあればあるほど、悔しさいっぱい
で強気でやめたくなる気持ちはわかります。

しかし、もし何とか次の転職先が見つかるようなら、

この『やめません』は全く得策ではないのです。

当然のことながら、最初の勧奨でやめるということは、
言い換えますと、まだ会社の経営が退職施策についてお金を用意できるタイミングでやめる、
というケースが多いのです。

ということは、ほとんどの場合粘れば粘るほど、退職に関する条件提示は下がっていくわけです。

あくまで次が見つかる可能性があれば、ということではありますが、
じわじわと追い詰められていく複数回の退職勧奨をあえて受けるかどうか。

ここは熟考が必要なところです。

特に転職回数が多い場合、これまでひとつひとつの会社で何をしたか。
今の会社ではどうか。
そしてこれからもし配置換えになった場合も、そのつながりは途切れることなく、
キャリアの中でストーリーとして話すことができるのか。

ただ転職回数を重ねるつもりでなければ、このつながりが大切ですのです。
外部の環境、自分が今直面している状況の両方から熟考が必要です。

残ればどんどん追い詰められて、退職に関する条件は悪くなる。
もし会社が立ち直らなければ、退職金さえ出なくなったり、数ヶ月間は出社せず転職活動に
つかっても給料は払います、なんてこともなくなる。

闘うことではなく、あえて辞める選択をすることでリストラをいい転職のタイミングとして
活かすことが可能になります。
確かに厳しい経済環境ではあるものの、退職勧奨のプランがあるような会社ならば、
給料をもらいながら、もっと言えば在籍を確保した状態で転職活動をすることは大きな意味があります。

失業状態の転職希望者に対して応募される側の企業は当然のように足下をみて、待遇もポジションも
たたいてくる可能性が高いからです。

また話を戻すと、リストラ宣告の面談という場合には、どれほど強気な発言をしたとしても、
内心が動揺していないということはありません。


そこで、同僚から「あんまり怒ったりしてクビになるとまずいから大人の対応したほうがいい」
などといわれて、今度は逆に「あ,そうか」とできる限り条件交渉をふくめ、角を立てないように柔らかく
話をしようとしたりします。

しかしここにもウソがあります。
闘わないにしても決して下手に出てはいけないのです。

次回ご紹介する、法律を熟知したものだけがやれるリストラ面談に使える悪魔のテクニックをぜひ身につけてから
臨んでください。