野村監督になろうとした管理部長の末路とは 1/2

career1102010-05-16

プロ野球の野村監督は野村再生工場なんて言われてますが、人材の再生というのは企業のなかではかなり重要なテーマだったりします。

今回は野村監督になろうとしたばかりに、結局会社を傾かせる原因となってしまった転職者の失敗談を書きたいと思います。

この方は元々広告系の会社で営業や経理の仕事をやっていたのですが、とあるIT企業で管理部長として転職することになりました。
管理部長に出世した、ということで、経理だけをやっていればいいものの、エネルギーいっぱいだった彼は、IT企業で扱っていた会計のシステムが自分の興味ある分野に近かったため、「自分も営業としてかかわる!」ということで、経理の仕事はそっちのけで、営業活動に関わりだしてしまいました。

ところがこの方は、ある日野村監督の本を読んで「俺も野村監督のように人材再生をする!」なんて言い出したのです。
ところが彼のやった”再生”は野村監督の言葉を自分に都合のよいように解釈し、人材を再生するどころか、営業メンバーのモチベーションを落とし、つぶしてしまい次々と退職に追い込んでいくということをしてしまいました。

例えば
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

負けるときには、何の理由もなく負けるわけではなく、その試合中に何か負ける要素がある。勝ったときでも、何か負けにつながる要素があった場合がある
という意味だったと思いますが、
「あ!これはその通り!とうことは、おい!おまえらがちゃんとやらねえから会社の業績が悪いんじゃねえか。結果ださないやつは給料泥棒だからクビにしてやる!」
なんて感じで、社内で毎日どなりちらしていました。

そんなことをしているうちに会社の業績はこんな空気感の中どんどん悪くなっていきました。
会社中から、「あいつはヒトラーだ」なんて陰口を言われるようになり、次々と優秀な部下はやめていきました。

結果的に去年会社は倒産してしまい、大きな会社に吸収されることに。
新しい会社の中で彼は結局厄介者扱いされて会社を去らざるを得なくなりました。

野村監督の本をよく引き合いに出して語る人がいます。
それ自体に学ぶことがあれば、それはそれでいいのかと思いますが、野村監督が相手にしているのは、
少なくても、全国で出身チームでは選び抜かれた四番やエースだった人たちの集まりです。

エースのはりかたも四番の役割も担ったことがなく、これから成長するのびしろを抱えたメンバー
たちに野村監督の言葉をそのままあてはめるだけでも無理があるのに、ましてや自己流の解釈では
会社の組織が崩壊してしまうのは当然といえば当然です。

ではどうすればよかったのか。