実例!高給案件をウリにした紹介会社を使い倒すワザ 2/2

career1102010-05-20

さて、その方のかいた履歴書をみると、その方は大学を卒業されてから、大会社の子会社やグループ会社という出向キャリアがほとんどで、履歴書にはそういった会社が並んでいます。

しかし、親会社である有名な大会社の名前はどこにも書いてありませんでした。

そこで、
○○会社から出向で○○会社へ出向

というようにちゃんと親会社の存在と出向の背景や理由がわかるように履歴書を書き換えるようアドバイスをしました。 ウソを書くのではなく、ちゃんと自分が出向した理由を自分の能力適性や期待役割を考えながら書くのです。

また、経歴や学歴以前に、転職回数が多くすべて異なる職種のため、いったいこの人は何をやってきた人なんだ?
という不信感を抱く印象を持ってしまうような内容になっていました。

この点については、いろいろな経験はしてきたけれども、なぜいまコンサルティングファームなのか、がわかるように
しました。
ファーストキャリアから順番に経験を積み上げてきた結果、ではなく、コンサルティングファームにいくつもりだったからこういう経験を意図的に経験してきたのだ、というような転職回数が多いことの”なぜ”のストーリーがわかるように書き直してもらいました。
不十分な記述を追加し、冗長な表現を修正するということを何度もチェックして修正しました。


ひとつひとつの文について、日本語表現を徹底的にチェックし、コンサルティングファームの提案書を意識しつつ、しっかりしたロジックに見えるように何度も修正をしました。

なぜここで、”しかし”が入るのか?
”これ”ってどれ?”向上”ってどんくらい”改善した”って何を?
”貢献しました”っていったい何をどれくらい?定量的には?
”大切にしてきた軸”って意味がわからない。次のキャリアとつながっていない!

なんてチェックを細かくしながら、句読点からフォントの選択までチェックをしていきました。

転職回数を複数回重ねていましたので、普通ならば”何でもできます”的な書き方をする方が多いのです。
今回はこの業界のこのテーマならば、しっかりした経験がある。自分なりのノウハウがあってそれを論理的に話すことができる、という状態になるようにしました。
スペシャリストとしての記述内容になるよう記載する得意分野を絞りこんでもらうという作戦です。

最終的には二週間ほぼ徹夜で書類を仕上げてもらうことになりました。


完成した段階で、紹介会社面談を一次面接にみたてて、作成した書類にあわせてしっかり筋道を立てて話せるようにトークの練習をしてもらいました。
またスペシャリストとして、得意領域については専門書を数冊読破してもらい、その上で経験談を読んだ専門書に書いてあるような教科書的理屈ではない、ノウハウを織り込んで話せるようにしてもらいました。


この方は最初
”○○業界の営業には自信があります。オリジナルの資料で○○億円の仕事をとりました!”
なんてシナリオを準備してきたのです。

しかしこれでは全然だめ。

その資料のどこがオリジナルでなぜ効き目があるのか。
違う局面でくみ上げたノウハウを使って再現することができるのか。
単に思いつきで工夫した結果、たまたまうまくいったことや、繰り返しやってみたらうまくいったことではなく、なぜ、をきちんと話せるように練習です。

ここまでできたら、今度は情報収集です。
学歴では勝てないとなると、ここまで整理してきた経験を活かせるようなプロジェクトを抱えているファームが出てくるのを情報収集をしながら待ちます。
コンサルティングファームは短期間でプロジェクトの成果を出さなければなりませんので、特定の業界でのスペシャリストを必要とするタイミングがあります。

そのときが応募のタイミングと考えてひたすら情報収集をしていきました。
この情報収集には紹介会社をうまく使います。

このときは2ヶ月ほどで相談者の方がもつ経験が活かせそうなプロジェクトを抱えたファームの案件があると、
いくつかのエージェントからも声がかかりました。
今度は前回書いた同じ紹介会社に書類を送ると、手のひらを返したように複数案件を紹介してきたそうです。

実はこの書類はコンサルティングファームだけで使えるというわけではありません。
他の事業会社案件の応募にも使ったところ、続々と紹介があり、見事コンサルティングファームにも事業会社に受かることができたそうです。


今回紹介したような会社は、付き合い方の工夫をしないと無駄な時間を使うだけでなく、丁寧な言葉の裏に隠された上から目線で非常に嫌な思いをすることになってしまいます。
逆に事前にどんな書類を作成し、どんなアプローチ、対応をするか、というお作法をきちんとふんでさえいれば、他のエージェントでは出せないようなハイクラス求人案件を引き出すことができます。
また、紹介会社をつかって情報収集をしっかり行い、的確なタイミングで応募することが大切です。

エージェントのネガティブなコメントに負けずに、キャリアアップを目指してがんばっていきましょう!