会社の兆候でわかる!転職決意のタイミングはここだ!

career1102010-05-27

先日の記事の続編です。
http://d.hatena.ne.jp/career110/20100522/1274484411


井上さんが話し出したのは、成果主義という甘い言葉によってくずれていった会
社の様子でした。

「最初は、これで給料があがるね、なんて喜んでいたんです。でもそれは最初の
うちだけ。ある人にとって評価されるポイントは別の人にとっては減点のポイン
トになったり、人の応援をしたり、サポートして一緒にやることで逆に自分の相
対的な評価がさがることにみんな気づきはじめたんです。そしたらだんだんギク
シャクしはじめて。。」

「そうだったんですね」

「優秀といわれていた人たちもどんどんやめていき結局転職先が見つからないよ
うな人だけが残って、業績も急降下。そんななかで私に対するプレッシャーもす
ごくなってしまって」


この不況の時期に給与制度に手を入れる理由の多くは、人件費削減という理由で
す。

成果主義という言葉自体は、過去に多くの企業が失敗して印象が悪いため、最近
はあまり使われていません。

しかし、実態としてこうした制度を導入し、数パーセントの削減ができればそれ
で成功、ということを考えているケースは数多くあります。

ところが外国の学者たちが熱心に研究し、もっともらしく本に書いてあったりす
るこの手法は、日本にはなじみにくい手法です。

それぞれの仕事の内容が細かく明文化され、評価基準も明確にしようとするよう
な国ならばうまく運用される可能性もあると思います。
日本では阿吽の呼吸で仕事をしたり、ましてや自分の仕事の内容はこれとこれ、
なんて記述がどこかに整理するわけでもありません。

営業事務補助
とかマネジメント業務全般

とかこんな感じです。

ただでさえモチベーションを下げる危険性があることに加えて、人材の流出に拍
車をかけることになります。

さて、このブログのテーマである転職成功という視点で考えると、
転職のタイミングがなかなか見つからない場合、こうした制度の導入をタイミン
グのひとつと考えるとよいと思います。

制度に振り回されて疲弊する前に一度人生について考える。

やめどきを間違えると取り返しがつかないことになります。
しっかりと立ち止まって考える。
これがポイントです。


井上さんは結局どうしたのでしょうか。
井上は数ヶ月後に会社を退職し、中堅コンサルティングファームに新規事業開発
の責任者として転職しました。

何も成果主義100パーセントみたいなところにいかなくても、なんて周りには言わ
れたようです。

私も同じことを聞くと、井上さんはこう答えていました。

「何が成果かよくわからない会社にいるより、やったことやらないことが全て返
ってくるほうがわかりやすくていいんです。要は制度が悪いのではないのですね」

確かに井上さんは再び成果主義を導入している企業に入り、活躍されています。
しかし、会社が傾くのは、不況だからといって安易に成果主義のような制度を入れてしまう時です。

いつやめるのか。

転職のタイミングを見定めること、これも転職成功のポイントです。